リウマチ情報ポータル

リウマチ患者さんと
そのご家族の皆様へ

リウマチケア&お役立ち情報

順天堂大学医学部附属 順天堂越谷病院 院長 崎 芳成 先生
協力: ( 公社 ) 日本リウマチ友の会

目次

生活をエンジョイする

アドバイス1:服は関節に負担が少なくおしゃれなものを

おしゃれに気をつかうことは生活をエンジョイするうえでとても大切なことです。リウマチ患者さんには、ゆったりした衣服がよいといわれていますが、大きいサイズは着くずれしやすく、頭からかぶる服は脱ぎ着する時に肩や腕の関節に負担がかかるもの。

そのため、服は前開きのものがよく、特にアームホール ( 袖ぐり ) が広いものを選びましょう。アームホールが広ければ肩の関節の負担が小さくなります。肩幅は身体に合ったもので背幅が広いものが脱ぎ着が楽です。

また、ファスナーのつまみに輪を付けてリーチャーで引っ張ると着やすくなります。服の色は気持ちが楽しくなるような色を選びましょう。素材は軽く、冬は保温性がよく、夏は通気性がよい服を選ぶのが基本。ストレッチがきいている素材は動きが楽です。

さらに、服はリフォームして着やすくする工夫をします。リフォームを頼むときは、ここを直してほしいと具体的に注文しましょう。リフォームするときの工夫として、パンツはウエストわきの開きを広くして上の部分はマジックテープに、ブラウスやパンツなどのボタンはマジックテープにすれば、着替えも楽になります。

アドバイス2:化粧で楽しい生活を

自分らしさを表現しつつきれいに見せる化粧は、おしゃれに生活をエンジョイするうえで大切なこと。関節に負担をかけないように、普段の化粧は、洗顔後、化粧水にフェイスパウダー、口紅と眉毛のメイク程度ですませるなど、手間をかけない手軽な化粧をお勧めします。

化粧をすることで、出かけることが楽しくなり生活がよりアクティブになることが大切です。

アドバイス3:足に合った靴をはいて外出

リウマチ患者さんは、家の中で閉じこもっているばかりではよくありません。外に出かけるだけで気持ちが明るくなり病気にもよい影響を与えます。

出かけるときに大切なのが、まず靴です。リウマチ患者さんにとって歩きやすい靴は、ヒールが低いもの、かかとや土踏まずをしっかりサポートするもの、靴の中で足の指を動かせるもの、靴の中に中敷き ( インソール ) があるものです。中敷きには歩くときの衝撃を吸収する働きがあり、はき口が大きく留める部分がマジックテープのものは着脱が楽です。また、リウマチ患者さんは症状が進むと外反母趾、扁平足、ハンマートウなど、足の指が変形することがあるので、自分に合った靴を選ぶことが大切です。

靴選びで困ったときは「靴外来」を受診するといいでしょう。靴外来とは、歩行に障害がある人を対象に、専門医や技術者がその人の足に合った靴や中敷きを作る専門外来のこと。最近は靴外来を設ける病院や整形外科クリニックが増えていますが、シュー・フィッター ( 足と靴と健康協議会認定 ) が常駐している靴屋でも行なっている場合もあります。靴に困った場合は、まずリウマチ専門の医師に相談しましょう。

アドバイス4:お肌のケアにも工夫を

身体を洗うときに便利なのがボディブラシやナイロンタオルです。しかし、そのまま肌をこするとデリケートな肌に細かい傷をつけてしまいます。そこでボディブラシの先にガーゼなどのやわらかい布を巻き、石鹸で十分に泡立ててから、その泡で肌をなでるように洗いましょう。

洗顔も同様に泡で肌をなでるようにしましょう。また、紫外線対策も大切です。ちょっとした外出にも日焼け止めを塗る、つばの広い帽子をかぶるなどを心がけましょう。

アドバイス5:自分の希望をはっきり伝えましょう

ヘルパーによる在宅介護サービスを受ける場合、ヘルパーと上手につきあいましょう。リウマチ患者さんは自助具の使い方が上手く、身の回りのことは自分でできることが多いのですが、ヘルパーはリウマチをよく理解していない場合もあります。身の回りの動作に苦労するような場合は、ヘルパーにしてほしいことを具体的に伝えるようにしましょう。

ケアプランを作成する際、ケアマネージャーなどに症状や自分のライフ・スタイルをよく説明して理解してもらいましょう。

目次