医療関係者の皆様

よくあるご質問

メトレート錠

Q関節リウマチにおいて、メトレート錠の1週間の投与量に上限はありますか?

A

関節リウマチ(RA)にメトレート錠を投与する際、投与量は患者さんの年齢、症状、忍容性及びメトレート錠に対する反応等において適宜増減しますが、1週間単位の投与量として16mgを超えないようにしてください。

【参考】
国内のメトトレキサート(MTX)の関節リウマチ(RA)に対する用量は、効能の追加承認申請に際して実施された至適用量検討試験(1週間あたり2mg、6mg、9mgの3用量群間比較試験)等に基づき、有効性と安全性を鑑み6〜8mg/週で承認されましたが、海外に比べ用量が低いため、十分な治療効果が得られない例がみられることが指摘されるようになりました。その後、国内での8mg/週を超える用量の有効性と安全性に関するデータが集積され、日本リウマチ学会より8mg/週を超えた使用の有効性と安全性に関する研究報告書が提出されたことなどから公知申請が行われ、2011年2月、上限量16mg/週までの増量が承認されました。
推奨する用法はありますか?

1週間単位の投与量を1回又は2〜3回に分割して経口投与してください。
特に推奨する用法は定められていません。有効性や安全性、コンプライアンス等を考慮し、個々の患者さんに最適と思われる用法で投与してください。

【参考】
日本リウマチ学会が策定したMTX診療ガイドライン1)で推奨されている用法は以下のとおりです。
1週間あたりのMTX投与量を1回または2〜4回に分割して、12時間間隔で1〜2日間かけて経口投与する。1週間あたりの全量を1回投与することも可能であるが、8mg/週を超えて投与するときは、分割投与が望ましい。
1)
関節リウマチ治療におけるメトトレキサート(MTX)診療ガイドライン 2011年版、羊土社(2011)

Qメトレート錠を飲み忘れたときの対処法について教えてください。

A

飲み忘れたときは、忘れた分は飲まずにとばして、次の決められた時間に1回分を飲んでください。絶対に2回分を一度に飲まないようにしてください。
ただし、患者さんごとに投与量や病態等は異なりますので、飲まずにとばした場合のリウマチへの影響等も考慮して対処法を決定ください。

Q関節リウマチの治療でメトレート錠と葉酸を併用する場合、葉酸はいつ服用させればよいですか?

A

メトトレキサート(MTX)による副作用予防時の葉酸製剤の投与について確立した方法はありませんが、MTXの最終投与24〜48時間後に葉酸(フォリアミン錠)5mgを服用させるのが一般的です。

【参考】
日本リウマチ学会は策定したMTX診療ガイドライン1)で、葉酸製剤とMTXの投与間隔をどのくらいあければよいかは明確な結論は出ていないとしながらも、国内外の臨床試験の成績から5mg/週以内の葉酸(フォリアミン錠)をMTX最終投与24〜48時間後に投与することを勧めています。
フォリアミン錠にはMTXの副作用予防の保険適応はありません。
1)
関節リウマチ治療におけるメトトレキサート(MTX)診療ガイドライン 2011年版、羊土社(2011)
メトレート錠を服用している患者は必ず葉酸を併用すべきですか?

MTXの投与量や副作用リスク等を鑑みて、患者さんごとに併用の要否をご判断ください。
なお、葉酸併用に関し先に述べたMTX診療ガイドライン1)では、次のように記載されています。
「海外ではメトトレキサート(MTX)の用量が本邦の2〜3倍多く、葉酸1〜2mg/日の併用は関節リウマチに対する治療効果に影響しないという立場であり、MTX投与の全例に葉酸併用を勧めている。投与量の少ない本邦では、葉酸併用によりMTXの効果が減弱する症例がみられるうえ、低用量では用量依存性副作用頻度が少ないことから、MTX0.15mg/kg体重未満の低用量では葉酸併用は必ずしも必要ではない。北欧の葉酸使用指針も同じ立場である。しかし、高用量(MTX 0.2mg/kg体重以上)使用する場合や副作用リスクが高い以下の症例では全例において葉酸併用が勧められる ; 腎機能低下例、高齢者、複数のNSAIDs使用例」
ただし、腎障害のある患者へのMTXの投与は禁忌です。

Qメトレート錠を分割や粉砕してもよいですか?

A

分割や粉砕して投与した場合の薬物動態、また有効性や安全性は検討していません。また粉砕はメトレート錠の承認された投与方法ではありませんので、お勧めできません。
医療従事者の裁量と責任のもとに、分割や粉砕を行う場合には次のことに注意が必要です。

  1. メトトレキサートは抗悪性腫瘍剤・免疫抑制剤ですので、
    ・調剤者は薬の飛散による健康への有害性を考慮し、ゴム手袋やマスクを使用してください。
    ・他の患者さんの薬へのコンタミネーション(乳鉢・乳棒や粉砕機、分包機)を防いでください。
  2. メトレート錠は遮光保存です。

Q無包装状態のメトレート錠の安定性について教えてください。

A

無包装状態のメトレート錠について、温度(40℃、ガラス瓶、3ヵ月)、湿度(30℃、75%RH、ガラス容器開放、3ヵ月)および光(室温、134万lx・hr、シャーレ開放)に対する安定性を確認しています。
温度に対する安定性試験では変化は認められませんでしたが、湿度に対する安定性試験では硬度が10.4kg→3.8kgに低下(1ヵ月後では3.9kg)し、光に対する安定性試験では含量が98.5%→94.3%に低下しました。ただし、ともに規格内の変化でした。

  保存条件 保存期間 保存形態 結果 評価
温度
温度 40℃ 3ヵ月 ガラス瓶 変化なし
湿度
湿度 30℃、
75%RH
3ヵ月 ガラス容器開放 硬度10.4→3.8kgに低下(1ヵ月後3.9kg)
室温、
1000lx
134万lx・hr シャーレ開放 含量98.5→94.3%に低下
「錠剤・カプセル剤の無包装状態での安定性情報」安定性評価基準による
:変化なし :変化あり(規格内) :変化あり(規格外)

Qメトレート錠を服用中の患者さんが手術をする場合、手術前後の投与はどのように考えればよいですか?

A

周術期の患者さんの状態に応じてメトレート錠の投与継続、中止をご判断ください。
整形外科手術を必要とするような疾患活動性が高い関節リウマチ(RA)患者さんがメトトレキサート(MTX)の服用を中止した場合、RAの再燃の可能性があります。一方、継続投与した場合は、周術期の出血、脱水によりMTXの排泄が遅延し、骨髄抑制等の副作用発現のおそれがあります。また、免疫抑制作用等により局所感染、創傷治癒遅延を起こす可能性があります。そのため、手術前後の投与については、メトレート錠の投与量や投与期間、患者さんの背景(年齢、合併症の有無など)等を考慮し、個々に応じた判断が必要となります。

【参考】

日本リウマチ学会が策定したMTX診療ガイドライン1)には、以下のように記載されています。

MTX投与症例での周術期における対応(整形外科予定手術の場合)
症例 対応
5〜12.5mg/週 MTX投与の継続。術後感染症、術後創傷遷延治癒には影響しない。ただし、術後感染症の合併に注意する。
12.5〜16mg/週 個々の合併症を慎重に考慮し、MTX投与の継続/一時中断/再開を判断する。

整形外科予定手術以外の手術の場合は、投与量が12.5mg/週以下でも、個々の症例に応じて投与の継続/中断/再開を慎重に判断する。

1)
関節リウマチ治療におけるメトトレキサート(MTX)診療ガイドライン 2011年版、羊土社(2011)
休薬する場合、どのぐらいの期間休薬すればよいですか?

休薬期間についての基準はありません。手術の種類や患者さんの背景(年齢、合併症の有無など)等を考慮し、個々に応じた休薬期間を設定してください。

Qメトレート錠はサラゾスルファピリジン錠と併用可能ですか?

A

メトレート錠とサラゾスルファピリジン錠は、併用されるケースがあります。

以前は抗リウマチ剤(DMARDs)の併用療法はエビデンスに乏しく慎重に行われてきましたが、昨今は、関節リウマチ診断後早期からDMARDsが積極的に導入され、さらに治療目標の達成に向けたタイトコントロールが重要視されるようになってきました。DMARDsの併用療法はタイトコントロールの大切な手段のひとつとなっています。

メトトレキサート(MTX)とサラゾスルファピリジン(SASP)の併用は、国内外で汎用されている薬剤同士の組み合わせということもあり、有用性を検討した報告は少なくありません。米国リウマチ学会(ACR)はこれまでに出された数々の報告を調査・評価し得られたエビデンスから、関節リウマチ治療において、罹患期間、疾患活動性、予後不良因子の有無に応じて、MTX+SASP等のDMARDsの併用療法を行うことも選択肢のひとつに挙げています。

Qメトレート錠はブシラミン錠と併用可能ですか?

A

メトレート錠とブシラミン錠は、併用されるケースがあります。

以前は抗リウマチ剤(DMARDs)の併用療法はエビデンスに乏しく慎重に行われてきましたが、昨今は、関節リウマチ診断後早期からDMARDsが積極的に導入され、さらに治療目標の達成に向けたタイトコントロールが重要視されるようになってきました。DMARDsの併用療法はタイトコントロールの大切な手段のひとつとなっています。

メトトレキサートとブシラミンの併用療法については、それぞれの単独群よりも併用群の方が有意に高い有効性を示したとの二重盲検比較試験の報告があります。なお、この試験における有害事象による中止例は、3群間(それぞれの単独群と併用群)で有意差が認められませんでした。

Qメトレート錠を服用中の患者さんがインフルエンザワクチンの予防接種をしても問題ありませんか?

A

インフルエンザワクチンは不活化されていることから、ワクチンそのものに病原性はなく、接種による感染のおそれはありません。一般に、免疫抑制剤を服用している患者は免疫低下により易感染状態にありますので、インフルエンザワクチンの接種が勧められています。一方、免疫抑制剤の投与(特に長期あるいは大量)を受けている場合、抗体産生が減弱しインフルエンザワクチンの効果が十分に得られない可能性があることが知られています。メトレート錠服用中の患者さんのインフルエンザワクチンの接種については、メトレート錠の投与量や期間、全身の状態なども考慮のうえ、接種をご判断ください。

【参考】
日本リウマチ学会が策定したMTX診療ガイドライン1)では、服用中の感染症の予防対策として、インフルエンザワクチン接種を推奨しています。
1)
関節リウマチ治療におけるメトトレキサート(MTX)診療ガイドライン 2011年版、羊土社(2011)

Q肝障害のある患者さんへメトレート錠を投与することは可能ですか?

A

慢性肝疾患のある患者さんへのメトレート錠の投与は禁忌です。

メトトレキサート製剤の副作用として、劇症肝炎、肝不全、肝組織の壊死・線維化、肝硬変等の重篤な肝障害(B型又はC型肝炎ウイルスによるものを含む)が報告されています。慢性肝疾患のある患者さんに本剤を投与すると重い肝障害があらわれるおそれがあります。

B型またはC型肝炎ウイルスキャリアの患者さんに対する投与は可能ですか?

B型またはC型肝炎ウイルスキャリアの患者さんに対するメトトレキサート製剤の投与により、重篤な肝炎や肝障害の発現が報告されており、死亡例も認められています。また、メトトレキサート製剤投与終了後にB型肝炎ウイルスが活性化することによる肝炎等も報告されています。肝炎の発現・増悪の可能性がありますので、B型またはC型肝炎ウイルスキャリアの患者さんへの投与は避けることが望ましいと考えられています。

これらの患者さんに投与する場合には、投与期間中および投与終了後は継続して肝機能検査や肝炎ウイルスマーカーのモニタリングを行う等、B型またはC型肝炎ウイルスの増殖の徴候や症状の発現に注意してください。

なお、B型肝炎ウイルス(HBV)キャリアやHBV既感染患者に免疫抑制・化学療法を行った場合にみられる重篤な肝障害予防のため、日本リウマチ学会から、「B型肝炎ウイルス感染リウマチ性疾患患者への免疫抑制療法に関する提言」が発表されています。
また、日本肝臓学会発表の「B型肝炎治療ガイドライン」において、強力な免疫抑制・化学療法を行う際の基本的なHBV再活性化対策が示されています。

Qメトレート錠を高齢者へ投与する場合の注意点について教えてください。

A

メトレート錠を高齢者へ投与する際には、患者さんの状態を観察しながら慎重に投与してください。

高齢者は腎機能、肝機能等の生理機能が低下していることが多く、医薬品の副作用が発現しやすい傾向にあるため、一般的に医薬品の投与にあたっては十分な注意が必要です。

メトトレキサートは主に腎臓から排泄されるため、腎機能が低下している場合、排泄遅延により副作用があらわれやすくなります。また、高齢者は免疫機能低下の影響を受けやすいため、重篤な感染症があらわれやすくなります。投与にあたっては、腎機能検査値に十分注意し、患者さんの状態を観察することが重要です。

Qメトレート錠を妊産婦へ投与できますか?

A

妊婦または妊娠している可能性のある婦人へのメトレート錠の投与は禁忌です。

メトトレキサート(MTX)には催奇形性を疑う症例報告があり、また動物実験で胎児死亡及び先天異常が報告されています。メトレート錠を妊婦に投与した場合、胎児死亡や催奇形性の可能性があります。

妊娠を希望する場合、どのぐらい休薬期間をとればよいですか?

排卵周期を考慮して、少なくとも1月経周期は妊娠を避けてください。
(休薬してから2回の月経が終わるまで、妊娠を避けてください。)

【参考】
日本リウマチ学会が策定したMTX診療ガイドライン1)では、「MTX投与中のRA患者が妊娠を希望した場合には、女性でも男性でも妊娠計画の少なくとも3ヵ月前にはMTXを中止することが推奨される。」としています。
1)
関節リウマチ治療におけるメトトレキサート(MTX)診療ガイドライン 2011年版、羊土社(2011)

Q男性がメトレート錠を服用している場合、生殖能や精子形成に影響はありますか?

A

メトトレキサート(MTX)の生殖系への影響を検討したエビデンスレベルの高い報告はなく、MTXが男性の妊孕(にんよう)性や胎児に影響を与えるかどうかは明らかになっていません。また、MTXの副作用として、無精子症が報告されています。

MTXでは催奇形性を疑う報告や動物実験で胎児死亡及び先天異常が報告されていますので、男性がMTXを服用している場合、妊娠は避ける必要があります。

メトレート錠服用中の男性の配偶者が妊娠を希望する場合、休薬期間をどの程度とればよいですか?

少なくとも3ヵ月休薬してください。
MTXの休薬期間を3ヵ月とする十分なエビデンスはありませんが、精子形成に要する74日間妊娠を避けることに対して疑問はほとんどないとする海外の報告があります。

Qメトレート錠を授乳婦へ投与できますか?

A

メトレート錠の授乳婦への投与は禁忌です。

メトトレキサート(MTX)はヒトで母乳中への移行が報告されています。メトレート錠を授乳婦に投与した場合、母乳を通じて乳児へ移行し影響を及ぼす可能性があります。

Qメトレート錠を小児等(低出生体重児、新生児、乳児、幼児、小児)へ投与できますか?

A

メトレート錠は、関節症状を伴う若年性特発性関節炎(JIA)に適応を有しています。

低出生体重児、新生児、乳児に対する使用経験は少なく、安全性は確立していませんが、これらの年齢層を除く1歳以上の幼児、小児への投与は可能です。
なお、小児では腎機能、肝機能等の生理機能が未発達であることから、副作用があらわれやすい可能性がありますので、慎重に投与してください。また、性腺に対する影響も考慮してください。

お問い合わせ

あゆみ製薬では、皆さまからのご意見やご質問をうけたまわっております。

コンテンツ一覧