リウマチ情報

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リウマチの検査と診断

監修:東京医科歯科大学 名誉教授 宮坂信之 先生

目次

どのような検査が行われますか?

血液検査や尿検査、X線検査などを組み合わせて行います。

( 図7 ) 検査の目的
1. 血液検査
( 1 ) 血沈 ( 図8 )

血液中の赤血球が、試験管の中を一定時間内にどれくらい沈んでいくかを調べます ( 赤血球沈降速度、赤沈 ) 。これは、リウマチの炎症の度合い ( 活動性 ) をみる検査です。正常値は、1時間で男性が10mm以下、女性が20mm以下で、リウマチが悪化するにつれて値が進んでいきます。

( 図8 ) 炎症の程度を調べる検査 ( 血沈 )

正常値 ( 1時間で何mm沈むか )
20mm以下 ( 女性 )

関節リウマチ患者
50mm前後

重度の炎症の場合
100mm以上

( 2 ) CRP

リウマチによる関節炎の程度を表すCRP ( C反応性タンパク ) の値を調べます。正常値は0.3mg/dL以下で、炎症が強いと10mg/dLを超えることもあります。

( 3 ) 抗CCP抗体

環状シトルリン化ペプチド ( CCP ) とよばれる物質に対する抗体です。ごく早期のリウマチでも血液中にみられることから、早期診断に応用されています。
この抗体が多くみられる患者さんは関節破壊の進行も早いため、強力な治療を行います。

( 4 ) リウマトイド因子

リウマチでは、自分のからだの細胞や組織に対する抗体が生み出されます。その一つがリウマトイド因子で、この値が高いとリウマチ反応が陽性とされ、リウマチが疑われます。
ただし、リウマチ患者さんの約75% で陽性ですが、残りの25% は陰性です。また、肝硬変や慢性肝炎、結核のほか、まれに健康な人でも陽性になることもあり、リウマチ診断に絶対的なものではありません。リウマチの活動性の評価に使用されることもあります。

( 5 ) マトリックスメタロプロテアーゼ3
( MMP-3 )

関節中の滑膜組織からつくられる酵素で、関節炎がひどくなると、その量はより増加します。リウマチ診断の補助に使われ、また治療薬の効果を調べるのに役立ちます。

( 6 ) そのほかの検査値

リウマチの活動期には貧血 ( 赤血球の減少 ) がみられます。また、血清総タンパクとアルブミン値も低下します。反対に、白血球と血小板数は増加し、グロブリン値、アルカリホスファターゼ値が上昇することもあります。

2. 尿検査

リウマチが長く続くと腎臓の機能が悪くなり、尿にタンパクが出ることがあります。尿検査は、薬の副作用や、ほかに発病した病気 ( 合併症 ) のチェックもできる大切な検査です。

3. 骨や関節の画像検査

X線検査では、骨が虫食いのように欠けたり ( 骨びらん ) 、関節のすき間が狭くなって骨同士がくっつく状態 ( 強直 ( きょうちょく ) ) などから、リウマチの進行度がわかります。
関節超音波検査は、リウマチの早期診断に使われます。また、個々の関節の炎症の程度を知ることもできます。
CT検査は、首 ( 頸椎 ) や太もも ( 大腿骨頭 ) の病変、間質性肺炎などをみるのに有効です。
MRI検査では、骨の中で起こっている炎症や滑膜の増殖の度合い、骨びらんなどが早くからわかります。

( 表1 ) 関節リウマチの検査
※正常値は検査方法により異なる場合があります。

血液検査
検査の種類 正常値 目的
血沈 20mm以下
( 女性 )
10mm以下
( 男性 )
  • リウマチの活動性や炎症の程度を調べる
CRP 0.3mg/dL以下
抗CCP抗体 4.5 U/mL未満
  • リウマチの診断
リウマトイド因子 15 IU/mL以下
  • リウマチの診断
  • 活動性の評価
マトリックス
メタロプロテアーゼ3
( MMP-3 )
17.3〜59.7 ng/mL
( 女性 )
36.9〜121 ng/mL
( 男性 )
  • リウマチの診断の補助
  • 活動性の評価
尿検査
検査の種類 正常値 目的
尿タンパク 陰性 ( − )
  • 薬の副作用や合併症を調べる
骨や関節の画像検査
検査の種類 正常値 目的
X線検査
  • リウマチの関節症状の進行度の評価
関節超音波検査
CT検査
MRI検査

目次